なぐさんの観たり聞いたり読んだりblog

アクセスカウンタ

zoom RSS 水壬楓子「宮廷絵師と子爵、もしくは暗殺者と泥棒」

<<   作成日時 : 2017/11/12 20:09  

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

読書する時間がなかなか取れなかったのもありますが、春以降、本のレビューを書く気も特に起きず、
自分でも「珍しいな」と思っておりました。

久しぶりに、大好きな水壬楓子さんのBL作品の読書レビューです。

宮廷絵師と子爵、もしくは暗殺者と泥棒 (ガッシュ文庫)宮廷絵師と子爵、もしくは暗殺者と泥棒 (ガッシュ文庫)
水壬楓子 Ciel

海王社 2017-06-28
売り上げランキング : 334366

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


あー、おもしろかった! すべての謎が解けて、ラストシーンにニンマリして読み終わりました。

タイトルを見ると、えーと、つまりぃ
宮廷絵師で暗殺者である登場人物と、子爵で泥棒である登場人物が出てきて、恋愛するんですか?
→その通りです。
………………
だけだったら、ちゃぶ台ひっくり返して暴れるところです。
幸いそれだけではありませんでした。
当然、恋愛を縦糸に、
横糸は、近世ヨーロッパ風の架空の国の宮廷陰謀劇&ピカレスクロマンであります。
<以下、ネタバレがあります。>



オーリことオーレリは、貴族たちの家々を転々として仕事をする肖像画家であるが、実は法では裁けない悪辣な貴族を密かに弑する暗殺者であった。かつて、オーリは家族亡きあと悲惨な生活の末、ついには男娼宿に売られた。そこから、オーリを見つけ出し救い出してくれたのが、異母兄・アシルである。
守衛隊長官であるアシルのためなら、オーリは何でもする。それがたとえ暗殺であっても…
ある晩、クレモンテル伯爵の館でのパーティーの裏で、オーリは伯爵を始末することになっていた。しかし。彼は既に何者かに殺されていた。
守衛隊の捜査の中、平民の画家に過ぎないオーリは、アリバイを証明する手立てがなく追い詰められた。そこへ
「ああ…、私が一緒だったんだ」
と、ある男が声をあげた。クライン・モンシャル子爵。「ベッドの中で」と。……
その後、オーリは肖像画家としてクラインの館に入り込み(クラインはオーリを自分の元におびき寄せ)、クラインの肖像画が出来るまで「かりそめの恋人」の関係を結びつつ、双方からクレモンテル伯爵殺人事件から始まる謎に迫っていきます。そして、ついには王家の秘密にまで…

水壬さんのこういうタイプの小説は、登場人物を描かれているそのまま受け取っては、後でひっくり返されるんですよねえ。「この人は実は?」「この人は実は?」と探り探り…。しかも今回の本は受け攻めの交互視点。事件の謎の予想を立てるのが難しかったです。
実際、私の予想は大はずれでした。
でも、最後のどんでん返しでは、すっきりしましたけど。
実は、私の一番の大はずれは、「アシル兄ちゃんはきっと悪い奴だ」と思っていたこと。だって、せっかく地獄から救い出した異母弟・オーリに、身体を使わせたり、暗殺なんかさせているんですもの。きっと、オーリをうまく甘い言葉でだまして、汚い仕事をさせているに違いないわ!
……でも、
アシル、本当にいい人でした。
なんか納得がいきません。本当にいい兄なら、弟にそんなことさせんなよ。
「それは、実はね!」なーんて、アシル兄ちゃん側の事情とか秘密とかで、続編が出ないかな。

本書は、悪漢が主人公であるピカレスクロマンの形なのでしょう。
読了直後は気にならなかったのですが、時間が経つにつれだんだんじわじわと、私はオーリの暗殺者という立ち位置に抵抗感を覚えてきました。
なーぜか、私はクラインが泥棒をしていくのはかまわないくせに、オーリが対象が悪人とはいえ暗殺者として殺人を重ねていくらしいことには、抵抗があるのです。
やっぱり、クラインの方には、義賊であるらしい描写があるから許せるのかなあ。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
水壬楓子「宮廷絵師と子爵、もしくは暗殺者と泥棒」 なぐさんの観たり聞いたり読んだりblog/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる